2007年11月03日

ちゃんとすること / しないこと

 ついったーでぼけーっとログ見てたら@sivadさんが気になる発言をしていてそこから妄想が拡がっていったのでちょっとまとめ的に。まず最初にこのpostがあったわけです

Twitter - sivad- 目が覚めた。日本犬儒派の夢を見た。また寝よう。.png


 んで、犬儒派ってなんぞ?、って思って調べてたらこんな感じ、と

ディオゲネス (犬儒学派) - Wikipedia

知識や教養を無用のものとし、音楽・天文学・論理学をさげすんだ。プラトンのイデア論に反対し、「僕には『机そのもの』というのは見えないね」と言った。プラトンは「それは君に見る目がないからだ」と言い返した。プラトンは、ディオゲネスはどういう人かと聞かれて「狂ったソクラテスだ」と評した。運動の不可能(おそらくゼノンのパラドックス)を論じている哲学者の前で、歩き回ってその論のおかしいことを示した。

唯一の正しい政府は世界政府であるといい、「自分はコスモポリタンだ」と言い、史上初めてコスモポリタニズムという語を作った。また女性や子供の共有を主張した。


ディオゲネスは現在、その思想よりも逸話によって知られる。

* 彼は外見にまったく無頓着だった。住むところも気にせず、神殿や倉庫で寝て「アテナイ人は自分のために住処を作ってくれる」と言った。あるときは酒樽(大甕)に住んだ。
* 広場で物を食べているところを人が見て「まるで犬だ」と罵られたので、「人が物を食っているときに集まってくるお前たちこそ犬じゃないか」と言い返した。食べるのがおかしなことでなければ、どこで食べてもおかしなことではないと主張した。
* 同様に、道ばたで公然と自慰をした。「擦るだけで満足できて、しかも金もかからない。こんなに良いことは他にない。」 「食欲もこんなふうに簡単に満たされたらよいのに」と言った。



 「衒学的(ペダンティック)な知に対する反発」って感じかなぁ、と。つか、特に後段の説明のほうで@wtbwさんのサイト経由で見てたこのニュースが頭に浮かんだのです。

Sleepy chineses (33 pics) (//STATiC)

 道路でも〜


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 トラックの下でも〜


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 図書館でも寝てるわけです


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 んでこの「どこでも寝る」ってのがディオゲネスの「広場で物を食べているところを人が見て"まるで犬”と罵った」って話にリンクしたわけです。

 で、「どこでも寝る人 = 犬儒派ですか?」なる妄想が芽生えたわけです。「おまえ、そんなとこで寝てちゃダメじゃないか!」って言われたときに「われわれは21世紀の犬儒派である(これこそ無為自然だよ)」とか答えてるとおもしろいなぁ、と。

 そんなことを思っていたところで別件から似たような話があがっていてちょっと興味持ったり(※長いので以下要約気味に)


kotoriko ちゃんとしろ係みたいな仕事があればいいのになー、日本全国回って、いろんな職場を見回る。ちゃんとしてない人に、ちゃんとしろって注意して、国家公務員みたいな感じ。

kotoriko みんな! ちゃんとしないは俺が引き受けるから、ちゃんとするんだ!



marytan @todesking @send_と@kotorikoへの伝言ですね。おい、ちゃんとしろよって@todeskingが言ってるぞ。


@kotorikoさんが「ちゃんとしろ」がツボにはまったらしくいろんな人に「ちゃんとしろ!」って声かけ運動をしていたわけですね。ついったーには特にちゃんとしてないひとが多いですからね(てか、生活リズムもろバレなのでちゃんとしてなさが分かりやすい)。そんで@marytanが言ってるら辺が「ちゃんとしてないひと」の代表例ですね。

 でも、考えてみると「ちゃんとしろ」っていうときの「ちゃん」ってなんだかよくわかんないんですよね。それで語感的なおかしさもあるんですがこの「ちゃんとしてないこと」(いちおの定義としては「ジョーシキ的な規律に従っていない人」って感じ)っていうのが前述のディオゲネスの話とリンクしたのです。

 ディオゲネスの姿勢というのはペダンティックな知識やジョーシキに対するアンチテーゼって感じだったので。@kotorikoのそれは「ちゃんとしろ!」といいつつ「ちゃんとする」ということをからかってる様子が伺えてディオゲネスのそれと重なったわけです。(つか、@kotorikoのほうが遊びっぽくてなんかいいですね)

 

 関連で昔のコメディアンってのはふざけてるようで芯があったなぁ、と。なんらかの教養とか矜持のようなものを持った人じゃないと芸に深みがなかったよな、とかぼんやり思ったり。たとえば植木等さんとかいかりや長介さんの話なんか頭に浮かびます。

BigBang: スーダラ節の時代がようやくわかったように思った。---植木等の苦悩

植木等という人が、寺の息子で真面目一徹で、あの「スーダラ節」だの「無責任男」だのを苦痛を伴って演じ続けていたということは聞いていたけれど、実際ホンマかいなと思っていた。しかし番組では生前の植木のインタビューを3日間・6時間にわたって行い、そこに日本の戦後芸能史を重ねていくという作りだったのだけれど、驚きました。本当に悩んでいたんですねえ。あのイメージと自分の精神の乖離で。


きっと反対されるだろうと思いながら、父親に相談に言ったら、この父親が言うことには

「それは親鸞聖人の生き方だ。素晴らしい仕事だ。ぜひやれ」



 植木等さんのお父さんは真宗系のお坊さんで水平社運動にも関わった方だったようですね

植木等死す - Living, Loving, Thinking


 それで植木さんには「あんないい加減なことやってて良いのだろうか?」って苦悩があったようです。(結果的に多くの人に笑いを与えてくれたわけだけど)


 芸人の仕事への意識関連ではこちらのエントリなんかもおすすめです

てれびのスキマ:萩本欽一といかりや長介


 んで、思うのは「芯」と「笑い」ってことですね。以前に上岡龍太郎さんもこんなことを言ってました。「芸人というのはバカなことをやって笑わせながらも話の端々に”ほほぅ”と思わせるようなところがないといけない。それでお客さんを話に引き込むんだ」。この「ほほぅ」と思わせる部分、おーざっぱに言うと教養に当たるであろう部分が「芯」だと思います。あるいは「ジョーシキ」といってもいいかもしれない。

 笑いというのは「ジョーシキ」の緊張をくすぐるところ(あるいは裏返すところ)から生じるものなので「芯」にあたる部分がしっかりしてないとどうしてもダラダラしたものになっちゃうんですね。単なる一発芸というかなんというか・・。

 で、この辺の話が最初のほうで出てきたディオゲネスの話にも繋がるものがあるなぁ、と。

 ディオゲネスの場合は「ジョーシキ」とか「衒学」みたいなのを嫌ってありのままの生を体現しようとしたのだろうけど、道端で自慰とかってのはさすがにどうかと思いますね。「それでは動物とどうちがうんだい?」といわれても反論できないというか・・まぁ、ディオゲネスは反論するつもりもなかったんだろうけど。

 言ってみれば「ジョーシキってなんなのさ!」と言って盗んだバイクで走り出す中二病に近いものがあるように思います。

 対して芸道としての笑いというのはジョーシキの裏側でありながらそこには一定のルールがあるわけですね。


 「笑い」や「漫画」的なものをさげすむ人は一定の「ジョーシキ」の上に立ってそういうことを言うのでしょうけど、笑いってのは元来こんな感じでびみょーな緊張の上に成り立っている高度な芸なわけです。その辺について理解できてない人は「笑い」とか「漫画」(あるいはアニメやゲーム)といったものに対して保守的な姿勢を示すように思います。



 ルールといえば元来「犬」というものに対するイメージとしては組織への忠誠、ルールの遵守といった硬いイメージがあるように思うのですが「犬儒派」に対しては蔑称として「犬」という呼称が使われたのがおもしろかったです。ビートルズの歌にも「It's been a hard day's night, and I been working like a dog」って感じで犬がでてきますね。

 そういった意味では「犬」として組織のルールを遵守することとそこから降りて自由な時間を謳歌することとどちらが豊かな人生なのだろう?、とか思ったりしますがその辺も「どっちかひとつ」ってことではなく両方の間(あるいは裏側)が大切、ってことなのかもしれませんね。笑いとジョーシキの関係のように


 そんなことを思いました




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関連:
ちゃんと とは

※weblioで探したらありました。「きちんとした」などの副詞系の方言みたいです


2chコピペ【負け組上等!私のサイレント・テロ活動】 - こころ世代のテンノーゲーム

※@sivadさんの指摘で「ディオゲネスってサイレントテロのさきがけだったのかなぁ」とか思いつつ、これはこれで興味深かかったです。(いま「ワセダ三畳青春記」も読んでるのでそれが頭に浮かびました)


ディオゲネス入門

※これも@sivadさんから。単に「降りた」というわけではなく教養があったのだ、と。ついでだから犬の着ぐるみとか着てくれてるとおもしろかったかもしれませんね。あと、相談役においしいとこさらわれた気がするw



タグ:教養 笑い
posted by m_um_u at 00:49 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記このエントリーを含むはてなブックマーク
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