感じない男 (ちくま新書)
posted with amazlet on 07.08.23
森岡 正博
筑摩書房 (2005/02/08)
売り上げランキング: 23882
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Dankogaiさんとこの書評を読んで気になっていたのでこれを読んでみました。きっかけになったDanさんのエントリはこれ↓
404 Blog Not Found:書評 - 感じない男
見返してみたら思ったよりきっちりまとまった書評だったのでこれを元にして話を進めていこうと思うんですが、その前に。「感じない男」ことid:kanjinaiさんに敬意を表して、本エントリの脳内(テーマ)音楽として以下をリンクしておきます。(できれば鳴らしながら読んでね ♪)
んで、Danさんの書評に移る前になぜ本書に興味を持ったかということについての個人的理由を記しておきます。それは前に書いたこちらのエントリにも関係してるんですが、
muse-A-muse 2nd: 教えて、エロ子さん!!:(1)女性はなにを思ってエロいものを見るんでしょうね?
ワタクシどうも自分の中の性的欲求というものが統制しきれてないみたいで、それに危機感というか焦慮というか、なんかイヤだなぁ感があるんですね(だいぶ前から)。もうちょっと言うと、自分の中の性的欲求が女性に対する暗い欲動のようなものに繋がっているようでそれがイヤだし危機感があるんです。女性(あるいはそのアイコン)に対して性的関心を持つときに攻撃性が付随してるように思うんですね。
そういうのを統制しないとと思いつつも統制できず、なにか犯罪者予備軍的な後ろめたさをずっと抱えてきたわけです。
つっても、この欲動というのはぼくに特異のものではなく、おそらく世の男性一般が抱えているのと同じぐらいのレベルのものなのではないかと思います。その証拠にぼくは罪を犯したことはないし、そういう行動をしたことも、しようと思ったこともないです。(ex.たとえばパンツを撮るとか盗るとか、一般女性の尻を撫でるとかそういうの)
むしろ、そういう犯罪行為的なことには嫌悪感が生じるんですが、それに反してポルノ的な画像を見るときには暗い欲動のようなものが立ち現れる....。そのアンビバレンツがどうもよく分かんなくて持て余していたんですね。っつーか、「めんどーだからコレさっさとなくならないかなぁ」、って感じで老化を望む気持ちが強かったです。
んで、本書ではそれと同じような悩みが見られてちょっと嬉しかったです。っつーか正確に言えば、「女性のオーガズムに対して劣等感を持つ男(感じない男)の話」、ってことですね。めんどーだからDanさんのまとめから孫引用させてもらうと、
では、逆に考えてみて、不感症にかかっていない男の射精とはどういう体験なのだろうか。もし射精が「排泄の快感」以上のものであり、射精したあとには、満たされたような至福感が全身を包み込み、その余韻が長く残り、けっして空虚な感じが襲ってきたりしないのであれば、それは「男の不感症」ではないと言ってよいと思う。しかし、私の射精はそのようなものではない。
そんな感じで「小便を出す」ぐらいの性的快楽しか得ることのできない男が圧倒的なオーガズムを感じることのできるといわれる女性に対して嫉妬し、その嫉妬が引き金となって性交渉の場面、ひいては社会生活において女性をいじめるのではないか、と。そんなことを言っておられたように思います。あと、妙にマッチョイズムを貫いて男性優位的な姿勢を打ち出したりね。
この仮定はびみょーなところだとは思うんですが、個人的には共感するところがあります。ぼくも女性のオーガズムに対して、劣等まではいかなくても憧れというか「いいなぁ、それ」的な思いを持っているので。なのでそういう場面では女性のオーガズムのほうに同調(感情移入)しますね。そっちのほうが気持ちよさそうなんだもん。
んで、関連で「少なくとも男性は涙を流すような性的快感を得ることはない」という記述があったように思うんですがこれはちょっとびみょーかな、と思いました。(こっぱずかしい話なんですが)初めての経験したときにはそういう感じ、「腰がガクガクしてどうにもならん」、みたいな感じがあったように思います。経験を重ねていくにつれて快感が薄れていったわけで、最初から「排泄と似た快感」ではなかったと思う。
んで、主にそういった「はじめての快感」をとりもどすために「オナ禁」だのなんだのな話があるんでしょうけど、まぁ、これもびみょーな話だなぁ、と。
つか、刺激物減らして運動と頭脳労働増やせばさっさと寝られるはずですけどね。刺激物ってのは食べ物と画像その他の両方っすね。あとムリしなければ別に・・。ニコチン中毒と同じようなものじゃないですかね?(「やりたきゃやればいいし」的な)
森岡センセは「しばらくがんばってたら身体から変な臭いが出てきたのでがんばるのをやめた」って書いておられたけど、ぼくの場合はとくにそういうこともなかったです。・・冬だったからかな?
(※ちなみに臭いの元は脇、陰部、耳の穴なのだそうです(参照1、参照2)。その辺をよく洗ったり掃除しろ、と)
話がそれたので戻すとそんな感じで、「性的快感の上で男女差がある」、ということで、「その差が元になって男性が劣等意識を感じているのではないか?」、という話でしたね。
んでこういう話に対しては、「ヨガその他で快感高めればいいんじゃね?」、って思ってたんですが本書ではその辺についても言及されてました。いわく、「それだと快感追及ゲームになって終わりなくなっちゃうからダメだ」、と(意訳)。「それでは根っこにある劣等意識(それを元にした攻撃性)はなくならない」ということですね。
んじゃ、「愛で埋めればいいんじゃね? すぐ態度変えるんじゃなくて。いわゆる“その後に手を繋ぐ”とか“抱き合う”とか」って思ったわけですが、これもちょっとびみょーなのかな?
「精神的には満たされるかもしれないけど、肉体的にはびみょー」ってことか? つか、なんかこの辺特に女性の視線が気になる感じがするので説明しておくと、男のオーガズム(≠射精)後の感覚ってのはなんか急に冷めちゃうようにプログラミングされてるんですよね。っつーか、それって動物として当然のあり方なんじゃないかと思うんです。だって行動とまっちゃうと殺されちゃいますからね。最中は仕方ないとしても、「その後」はできるだけ早く動けたほうがいい。だからこそ男性の余韻は薄いのではないか、と思います。
(「んじゃ、女は食われとけって話か?」って言われそうだけど・・・知らない。自然が決めたことだし...)
そんなこんなで性的快感における男性の劣位を埋める方法は八方塞がりなんじゃないかって感じなんですが、Danさん的には「女性が抱きしめてやればいいんだよ!」ってことみたいですね。
個人的にはその辺もびみょーな感じがします。つか、本書の結論的には「解決手段は見つからないけど、とりあえず性的快感における生得的な劣位を認めることによって、それが元となって現れていると思われる女性蔑視的なゆがみを是正していってはどうか?」ってことでしたね。そういう意味では、まぁ、男性的な快感ってのは二の次でよいのではないかと思います。別に死ぬような問題でもないしね。
ぼくとしてはそういった「ゆがんだ意識」、「攻撃性」のようなものが男性という性にとって固有で逃れられない問題というわけではなく、後天的に身についたものなので後天的にhack可能だ、という道筋を示してくれただけでも良しとします。それが嫉妬かどうかはまだ分らないけど、とりあえずhackが可能だと分ったのでちょっと救われた気がする。
あと、ちょっと思ったんですがDanさんの読みの
おそらく「感じない男」の一番悲しい誤解は、「自分が感じないのは自分が汚いからだ」というものだろう。「ヒゲだらけでイカくさいからキモい」というのは、確かに「感じない男」たちが惹かれてやまない少女たちの台詞ではある。
というのは不十分なように思います。著者は「ヒゲだらけでイカくさい」ことから自分の身体(男性性)に劣等感を持つようになったのではなく、「夢精などによって下着や下腹部が汚れ、それを洗っている際に感じた恥辱が女性に対する劣等意識に繋がった」と言っていたように思います。(p.150)
(っつっても、ぼくはロリコンとかミニスカのところは飛ばして読んだのでその部分に書いてあったのかもしれませんが)
そんなこんなで男性の性の意識、というかオーガズム関連について興味がある人にはおすすめできる本だと思います。あとはぼくと同じように性における男性性に違和感がある人とか、オナ禁うんぬんでその手の欲求をhackしたい人とか。
つか、本エントリでも述べてきたのですが、この本自体まだ未完成って感じで、その知見というか問題設定を自分なりに引継ぎhackしていく必要があると思ってます。具体的に言うと、たとえばポルノなんかに対する視線とかね。
本書でも述べられてましたが、日本のポルノは特に女性に対する攻撃性が強いように思います。「それは男性の劣等感を埋めるためだ」ってことなんですが、でも、そうすると女性AV愛好家の藩金蓮さんなんかはどうなるんでしょうね?
kanjinaiさんの論理に従うと、「それは金蓮さんがオーガズムが無い河内のおっさん音頭のような人だからだよ」、ってことになるのかもしれないけどそれはちょっとびみょーっすよね。
つか上記は冗談として流していただくとして、金蓮さんの中に内在する男性性がそうさせているの?、って気もするんですけど、そうするとその男性性っていうのは身体的機能とは関係が無いということになる...。
まぁ、そのほうがますますhackの可能性が高くなるわけですけど。この辺は金蓮さんご自身にとっても課題ということだったように思うので、まぁ、ぼちぼち考えて抱くとして・・
藩金蓮の「アダルトビデオ調教日記」 - セックスとマゾとアダルトビデオ
さて、ぼく自身どうやって考えていきましょうかね..。(まぁ、ぼちぼち)
とりあえず関連でこれと、
[mixi] んで、けっきょく「劣情」ってなんなの?
[mixi] 男と女の間には…
以下、課題のようなものです
・<女性の欲望は男性の欲望の投影>と設定しているが、女性固有の欲望はあるのではないか?
・欲望は劣等感の裏返しのみによって表れるのか?
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関連:
男らしさの幻想 (勤労者Xの憂鬱)
※「男らしさ」の幻想を振りまいていた人のお話。マッチョイズムってやつですかね?
感じない男ブログ - 「感じない男」とはどんな本か?
感じない男ブログ - 感じない男 内容と批評(2)
感じない男ブログ - 感じない男 内容と批評(3)
感じない男ブログ - 感じない男 内容と批評(4)
感じない男ブログ - 感じない男 内容と批評(5)
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おまけ:
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追記(2007.8.28):
ちょっと書き忘れたのでいちお。
森岡センセも言っておられたけど、そういうたいしたオーガズムのない行為をしているとたまになんかすごい消耗してる感じがするんすね。なんというか、「なんでこんなことしてんだろ?」、的なね。
で、そういうときに思ったんだけどこれって自傷行為に似てるなぁ、と。
リスカなどの自傷行為ってやったことないけど、たいして気持ちよくないのに妙なカタルシスがあって依存してしまうようですね。そういうところが似てるなぁ、と。それで思うんだけど自傷行為をする人って自慰とかしないんじゃないですかね? 似たような感覚なんだろうし。っつか、両方やってたら体力もたないでしょうね。こちらのぶくまにも書いたけど
はてなブックマーク - 男の性欲には後悔がつきまとう
「男性の射精時のエネルギー消費量は100m全力疾走してから200cc献血するのと同じ」だそうだから。(@「彼女が死んじゃった。」)
んで、「自傷」だと分るとそういうのに興味なくなっちゃいますね。よく「自慰するぐらい元気があるなら献血しろ!」とか言うけどあれと同じというか、「気(※北京語読み)抜くよりは血を抜け!」って感じですかね。
ついでに言うとこのエントリ書いた人がほんとにこの問題について考えてるなら「感じない男」を一回読んでみるといいと思う。男性の性欲(女性への視線の問題)とか自慰がどうとかいう話も出てるので。
あと、男性の性欲への違和感(相対化)ということでこの辺とかも関連するかな
女性をSEXの対象にしか見られない男をどう思う? -OKWave


