2017年06月29日

バッド・リベラリスト


TL的にまだバニラエアを巡った話題がちらついててうぜえなと思いつつ、「なんでこの話題こんなに続くのかな?(みんないっちょ噛みしたがる琴線に触れるのかな?)」「それを『うぜえ』と自分が想ってしまうというのはどういうことなのかな?(そして思いつつも言及してしまうというのは?)」、というのをなるべく心根を中立にして問おうとしたときやっぱなんらかの権力がはたらいてるからなのかなーとおもった。まあそれはかなり抽象的に俯瞰したレベルからの話だろうけど、もうちょっと卑近に、最初にいっちょ噛みしたくなるのはそれをもって簡易にマウンティングなりなんなりしてうまいこといえるからだろうし、その「自己表現」をもって注目を集められるからだろう。あるいは、それ以前の先有傾向的にその話題に属することになんらかの文化・社会的アイデンティファイをしていて。その「縄張りを侵食された!」と判断して防衛機制が働く、とか。

そうやって俯瞰すると「強いられてるんだ!」系の話題なので特に言及しない / 言及するにしても事実レベル、あるいは、ニュースのファーストインプレッション程度にとどめ、そこに自身のなんらかの掛け金を乗せない、というのが賢いやり方なのだろうけどネット世界において。


たとえば自分がひとりでニュースを見ていた場合、あるいはネットとかかわらない一般世界でこういったニュースに触れた場合、たぶんそんなに引っ張らずにファーストインプレッション的な話題で済ます / 済まされるのだと思う。「ああ、そんな這いずるなんてことあったんだねぇ」「なんかすげぇな。。航空会社側が要求したものだとしたら」「そういうの起こらない方がいいよねぇ」ぐらいの。終局としても「航空会社がストレッチャー用意したんだね―」「まあそれなりに対応したんだからよかったよ(*´・ω・)(・ω・`*)ネー(中の人(特に下っ端)たいへんだっただろうけど」、ぐらいで終わる話。障害者に冷たいんじゃないの?みたいなこと言ってもそれが世の中のふつーだし、一般的にはニュースで伝えられる話題はそのように消化されてるし、不幸や差別はこういったこと以外にも日常的に転がっている。こういったことでことさらに話題にならない限り、あるいは自らのなんらかの掛け金をかけてプライド争い的な事にならない限りは特に気にすることもないし気にされることもない。自身が属するマイノリティ的な話題も。あるいはなんらかの不幸や実存的な課題が関わる話題も。「そういったもの」として流すし流されている。それがみょーに話題になり、マウンティングの仕合いで掛け金が上がっていくのは「ニュース」や「sns内のニュース」といった世論という権力に動かされているからだろう。まあそれが権力かどうかははっきりせず権力以外のなにかでも良いのだけどとりあえずそういった空間から離れた自分を想定した場合こういった事態はふつーではない。

まあそういった動態(があるとすれば)は別の機会に考えるからいいとして、今回の件で「掛け金が上がっていく」「カチンと来てなんか言及したくなる」ことの要因の一つとしてみょーな皮肉合戦があるように思う。それは一つ前のエントリでも触れたのだけど。本来なら、あるいは、特に関心もなく一般的な関心程度の話題であれば、事実を中心とした情報の交換程度で「へー」で終わる程度で良いはずのものにみょーに倫理と規範を乗せてくる。(一般人のふつーの態度として特に自己の実存をかけていない一般的な話題であっても)事実をベースとした対話によって対象事案についての正確な認識に近づき、ナンダッタラ問題が解決するといい(*´・ω・)(・ω・`*)ネーで済ますぐらいがふつーのはずだけど、最初からミョーに「○○しなければダメだ!」「○○が足りない!」とふっかけてくる。事実ベースではなく倫理ベースで。事実ベースではなく倫理ベースなので問題の構造的解決(の糸口)には繋がらず、いつまでたっても根性論的な精神論で終わる。結果的に玉砕して果てろというがごとくに。まさに一昔前の革命的な思考であり志向!やりがいの搾取というかモラルを搾取し人質にしているのだろう彼らは。そして彼らは下々には「もっと謙虚になれ」「謙虚にオレ(たち)のシソーを敬え」「ただしいシソーのもとに革命を行え」と説くのだ。結果として暴力革命以外のものが見えないような道筋で。対話ではなく暴力。それは今回もそういった傾向のひとたちが説く「正しい行動」のあり方を見てると伺える。「(空港側に対話を求めても最初からキャンセルされるのがわかっていたので)対話をすっ飛ばしてゲリラ的作戦で実効支配したのだ。それは正しい」。けっきょくそんなものなのだろう。


「対話には相手が応じないだろうなのは明らかなのでそれはすっ飛ばした」。そういった事情もあるだろうなあとは思いつつ、結果的に、そういった通常の手続き過程を踏んでいなかったということですよね?という疑問は残る。加えていうと、そういうゲリラ的な戦術でいきなり空港に現れて予約をねじ込んだとき、空港側から妥協策として提案されていた「(身体をお連れの方が)抱きかかえて降りるんですよね?」な約束も反故にされた。現地で降りる際に車椅子神輿でワッショイしたのを警戒したのか、帰路でそれはダメだと禁止したところでなぜ身体を抱きかかえて登らなかったのか?「身体を抱きかかえることも空港職員が禁止し帰りの便に乗ることを拒否されたからだ」ということかもしれないけれど空港職員側からそれを禁止したという話はでていただろうか?よしんば空港職員が身体を抱きかかえて登ることさえも禁止したとして、その禁止の頑なを招いたのは最初の約束を反故にされた警戒心からだったのではないか?まあ結果的に、このようなパフォーマティブなアクションをされ、それを大々的にニュースにされてけっこうなイメージダウンをされたわけだけど。客対応における「クレーマーが騒ぎ出すまえに菓子折りを出したほうがその後のイメージダウン損害を考えると安く済む」的なの。お客様は神様です上等な日本だとこういうのがふつーとされている。ドイツのふつー本とか読んでるとありえないだろうこういうのは。まあそのまえにPC的な配慮で障害者用の設備も整えておくのだろうけど。通常の、格安でない航空会社なら。



まあこの事案自体についてはそんなに詳細に触れるつもりもなくてここから思ったこと程度のことがメインに考えたいことなのだった。前回も少し触れたけど「なんでもうちょっと冷静に対話できないのか(*´・ω・)(・ω・`*)ネー」というのと「もうちょっと『正しいこと』以外の自分のホンネを出してもいきなりガーっとやり込められることもない空気にならないのか(*´・ω・)(・ω・`*)ネー」ということ。そういった正しいことの「理想」と自分たちの生活的現実的ホンネとの止揚にこそ生活にもとづいた思想性と民主主義があるように思うのだけど。

「なぜそれができないのか?」ということについては「日本人はそういった冷静なディベートの訓練が積まれてないから」というのはよく言われるのだけどあまりそういった「海外ではー」という出羽守的なことをしたくないなとおもいつつ、まあたしかに、自分の経験的にもらくだオランダ人なんかとそういう話してるときは本格的に対立することもなかった。彼はオランダ人のくせにファシズム好きで、軍国主義時代の日本好きで、首チョンパ的なアレゲがすきでファイナルファンタジーほか日本のヲタ文化好きなアレげであり自分からは違和感をちょこちょこ表出してたのだけど。基本的にオレ、リベラルだし。特に喧嘩にもならず「そうですかー そういう考えもあるですねー」と意見交換しつつ笑いあっていた。まあそれは自分が先輩、彼が後輩的な立ち位置というのもあっただろうけど。あまりそういうの関係ないよな欧米人は。



とりあえずもうちょっとモラハラ的な皮肉合戦以前に事実ベースでの対話であっさり終わらせられないのかな―とか思ったりする。あっさりでなくてもどっぷりでもよいのだけど。そして、事実の交換だけではなく「そのように世間は言っても自分は違和感ある」的なホンネ開陳でもよいのだろうけど。それが誤っているなら対話を通じて修正していけばよいのだろうし。事実ベースで。なぜ最初から喧嘩腰に、あるいは嫌味や皮肉気味に牽制して煽るのか…。まあそんなこといいつつ自分も結構そういう嫌味はしてる(むしろしてる)のだろうから人のこと言えないだろうし反省するのだけど。




そんなことを思っていたらこういうのって少しまえに読んだ「バッドフェミニスト」の紹介記事でいってたことなのかなーとおもった。まあ紹介記事だから同書で書かれてることそのままでもなく紹介者の我田引水的なところもあるのだろうなとは思うのだけど。あの記事やアマゾンレビューから伺える「バッドフェミニスト」のエッセンスなところとしては「『正しい』のはわかるけどホンネで語っちゃダメなの?」ってことだったように思う。ホンネで語るっていってもいきなり過去の『ただしさ』あるいはポリティカル・コレクトネスに形成されていった規範を前面撤回するということではなく、その範に則った上で「でも、実際の生活ではね…」って修正していくこと。「こういうことも思ったりするよね(世間的には『悪い』っていわれるのはわかってるけど」ぐらいの。

そういうことを通じて、過去の世代が築いてきた規範や慣習を現代的に修正していくことが大事なんじゃないかと思うんだけど。そしてそういう形で両極に落ちず?に踏みとどまるほうがけっこう辛いように思う。一方に触れればかなり楽だろうけど。


まあとりあえず同書は読もうと図書館に予約した(明日には用意されてるはず)。「ブリジットジョーンズの日記」の続編も見よう。なんとなく。(鈴木涼美さんは保留)

















































バッド・フェミニスト -
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posted by m_um_u at 23:38 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記このエントリーを含むはてなブックマーク
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