2007年06月07日

「新聞は、全世界で見ると成長している」..というよりも「インド・中国では」ということではないでしょうか?

 以下のエントリにTBです。


メディア・パブ: 新聞産業,全世界で見ると成長している


 「<新聞産業は斜陽>といわれているが、WAN調べによると世界全体の売り上げとしては増加している」、とのこと。

 で、WANのリンクも示されているんですが、


Welcome to the World Association of Newspapers


 どの辺の情報なのかが良く分かりませんでした。

 あ、ってか、こっちか

The Peninsula On-line: Newspapers flourish in Internet age




 まぁ、その辺については別ルートで情報つかんでたので良いのですが、


Global newspaper circulation up-Intl Business-Business-The Times of India


 インドタイムズによるWANのデータについての記事です。


 要約としてはメディア・パブさんの主張とほぼ同じなのですが、記事前段の部分が重要なように思います。

Internet and TV channels may be getting an increasing number of eyeballs, but newspapers are holding out to the competition as their circulation rose last year across the world on booming demand in India and China, World Association of Newspapers (WAN) said.

 

「テレビとネットに圧されていたかのように見えた新聞の売り上げたインドと中国のブームを受けて増えた(WAN調べ)」、ってこと。


 あとのデータはだいたいメディア・パブさんの伝えておられることと同じなのですが、フリーペーパーの記述なんかもあります。

Free daily newspaper circulation more than doubled over the five years to 40.8 million copies a day.


 「ここ5年で2倍に増えた」、と。


 んで、フリーペーパーの部数増加も受けて、「世界の新聞の売り上げは年間4.3%、5年で14.2%増えた」、とのことです。


 ここでフリーペーパーの発行部数が全体に占める割合が気になるのですが、めんどーなので数字は出しません。おそらくインド・中国の影響のほうが大きいのでしょうから。

 
 それ以外の概況については以前にこちらでまとめました


muse-A-muse 2nd: 当世新聞業界事情 (国内・海外概略)


 インド・中国関連について言えば、発行部数減少の危機感があるアメリカの新聞社がインド・中国市場を狙ってるって話は後段のほうで触れています。


 ただし、既にNewsCorpとViacomの殖民が始まってますがね。


Young Murdoch goes hunting for the big one - Business - Business - smh.com.au


Viacom, India's TV18 Group in JV for entertainment | Technology, Media & Telecom | Reuters


 Viacomのほうについては新聞メディアということではないので少し話しがぶれますが、NewsCorpのほうはロイター関連でインド殖民の流れはかなり強力です。


 「フラット化する世界」にも出ていていましたが、インドの振興に合わせてロイターは早くから現地入り+現地スタッフを雇っています。そして、簡単な記事については現地スタッフに担当させている。

 つまり現地との関係性が深いわけです。(現地事情に詳しい先行者優位がある)


 それを含めてNewsCorpはロイターと交渉しているわけです。そして、それはけっこう良い流れになってきている、と。


ダウ・ジョーンズ創業者一族、ニューズコープの買収提案を検討へ - CNET Japan


 この流れはやはりMySpaceを機軸としたNewsCorpの躍進によるところが大きいでしょうね。


muse-A-muse 2nd: 人事を尽くして天命を待つ、とか? (NewsCorp躍進の理由みたいなの)


 そういうわけでインド市場でもNewsCorpは一歩リードするでしょう。




 以上を考慮に入れると、「世界全体で新聞の売り上げが伸びている」というよりは「BRIICSな新興国の一部(ex.インド・中国)の中流層向けの新聞の売り上げが伸びている」ということです。そして、インドはNewsCorp色に塗りつぶされようとしている....。

 そういうわけでWANのデータをして、「だから新聞業界は大丈夫」、などということはいえないでしょうね。


 競争力的にNewsCorpほかコングロマリットにはかなわないでしょうし、現地メディアとの競争もある。(NewsCorpの場合、それを見越してのロイター取り込みですが)


 中国のほうについては長くなると飽きるでしょうから詳しく述べません。興味をもたれたかたはこちらのぶくまをチェックしてみてください。


はてなブックマーク - morutan@はて部/ 海外メディア/ 中国


(って、1個しかクリップしてないや...orz)



 そんなこんなでアメリカほか各地の新聞産業は自助努力的にがんばっていかないとダメって感じです。やはり斜陽っぽいので。解決策として中国・インドがあるだろうけど、そこはふさがれてますからね。



 あと、メディア・パブさんは「新聞業界は大丈夫」ということではなく、「こういう視点もあるよ」という提示をされただけなのかもしれないけれど、少し疑問に思いました。(「アウト」ではないですね。失敬)


 なんか嫌味っぽいTBになってしまいましたが、メディア・パブさんのblogスタイル自体は応援してるし重宝してますので、がんばってください。

 
 
--
追記:
ロイターはトムソン(カナダ)と合併であって、NewsCorpが狙ってるのはWSJ(ダウ・ジョーンズ)でしたね..。・・・失礼....(こっぱずかしい)





posted by m_um_u at 19:28 | Comment(0) | TrackBack(0) | メディアこのエントリーを含むはてなブックマーク
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