2007年05月04日

人事を尽くして天命を待つ、とか? (NewsCorp躍進の理由みたいなの)

 踊る新聞屋さんのエントリを見ながら、なんとも覇気のないエントリだなぁ、とか思ったり


踊る新聞屋−。: [blog][新聞]epic2015の前に新聞はもう終わる


 おーざっぱな趣旨としてはこの前ウチのサイトでまとめたのと同じ感じの事情が背景にあって危機感があるのに「30代(現場)の意見が通らない」って嘆いておられるわけだけど・・


 最近、ほかの業種の方々と話していまさら気がついたのは、新聞社の意志決定は50代以上の人たちが行い、ほかの業種では当たり前である30代40 代の意志というのがほとんどすくい上げられない、という当たり前のこと。地方紙レベルの組織でも、内部はもうほとんど硬直化していて、新聞産業は成熟しすぎたというか、過去の成功体験が強すぎて、もう自己変革できないのではないかと思い至った次第です。それが冒頭の「もうダメ」ということなんですけど。

 職種が専門化しているので、記者の自分がこんなことを言うと「夜回りの一つでもしてこい」と言われるのがオチですし、アハハ。
 自分もそろそろ中堅という位置になっているのですが、新聞の一番の危機は、自分みたいな立場の層のこういう投げやりなところが、まだ希望を持っている若い人にいい影響を与えない、多分マイナスのサイクルしか起こさない、ということじゃないかと思ったり。



 いや、大変なのはわかりますよ。ってわからないか、現場いないからな、オレは。

 でも、なんか、もったいないなぁというか、なんともぜーたくな話だなぁ、というか。


 なんだかんだ言っても日本の新聞は現状それなりのアクセス数というか購読数を持っててアテンション獲得してるわけだからそこから展開できるはずなのになぁ・・。その部分を開発しようとしない、若手の提案に聞く耳をもとうとしないお年寄り連中ににやきもきしておられるのかもしれないけど、なんかなぁ、って感じです。



 そういった日本の現状と対照的に海を隔てた向こうっかわではマードックのじじぃがまたしてもなんか仕掛けた模様。


NIKKEI NET:米ニューズ、ダウ・ジョーンズに買収提案・総額6000億円:国際 ニュース


asahi.com:「メディア王」、ダウ社に買収提案 ダウ側は拒否の構え - ビジネス


 ダウ側としては「敵対的買収」ってことで抗戦する構えらしく、「General Electric, Washington Post Co., Gannett and even Googleに売ったほうがマシだー」、って感じみたい。


Bloomberg.com: Technology:Dow Jones Holders Say Murdoch Bid May Trigger Auction


 最後に「Google」って出てくんのがポイントっすね



 で、この買収自体はどうなるかよくわかんないんだけど、どうも目的としてはちょっと前にもちょこっと言った海外展開の際のコンテンツ拡充ではないかと思います。

 だいぶ前から根回ししていた中国の中間層向け新聞市場も本格的に解禁みたいだし、なによりインドがおいしそう。インドの場合は規制が中国ほど厳しくなさそうだし(セクシャリティ問題さえ注意すれば)。音楽とかエンタメ好きな国民性があるので、コングロマリットなNewsCorpとしてはおいしい市場っすよね。

 で、最終的な狙いはそこになるんだろうけど、その前段階として新聞でも固めておきたい(ポータルとして利用してもらえるだろうし)

 そういうわけで「文化」面に左右されない情報コンテンツとして「金」が重要になるわけです。3Sのひとつだからこれ自体強力な誘引があるし。
(3S…「Stock」「Sports」「Sex」系コンテンツ)

 

 そんな感じではないかなぁ、と



 あとは最近Newsの新しい武器となったMySpaceに結び付けていけばけっこういけるかもしれない。武器っていうか「基地」っていったほうがいいか。もはや動画なんかのポータルとしての趣があるみたいだし。実際、ニュースなんかもここに統合して本格的なポータルにしようとしている。


メディア・パブ: MySpace,ニュースアグリゲーターを近く立ち上げ


 いわゆる新聞サイトのSocial Media化ってやつです。っつーか、Yahooの殖民の例を見ても、もはや方向性として「新聞 ⇒ それ以外のコンテンツとの連動」というだけではなく、「それ以外のコンテンツ ⇒ 新聞」って感じでもあるので「新聞サイトのSocial Media化」って言い方もおかしいか。(コンテンツ全体がweb2.0を意識して柔軟に連携してきてる)


 そんな感じでMySpaceに力を入れているNewsCorpなんですが、実際「MySpaceで躍進」って言ったってよくわかんない部分があった。そのあたりについて解説してくれてるのが以下の記事です。


MySpace's hunt for revenue in the ecosystem - Financial Times - MSNBC.com


 要約するとMySpaceの広告費の急激な伸びについて解説してあります。クリック型広告からBranded Clips といわれる広告への変化、具体的にはviral(口コミ)な感じで、各パーソナルサイトに広告を載せていった(という感じなのかな?)

Adidas and Electronic Arts are among the companies to have launched branded viral marketing campaigns on MySpace. Branded clips, online wallpaper and other features can be pasted on to personal pages and passed around within the MySpace community.


 「壁紙とかその他の特典つけてviralしていった」っていうけど、ふつーのユーザーだったらウザく思うと思うんだけどなぁ・・日本とは違うんだろうか・・。

 で、結果として従来のクリック型広告とBranded広告の収入比が逆転したらしい


The success of such campaigns has changed MySpace's revenue mix. A year ago, 70 per cent of the site's advertising income came from "performance" or click-through advertising, with the rest coming from branded advertising. In the past few months that ratio has reversed, with branded advertising now accounting for 70 per cent.


 
 どっちかを減らして構成比を逆転したというわけではないので単純に収益が伸びたわけです。そんで、どのくらい伸びたかというと、


The group has doubled its advertising sales force to more than 200 people since the start of the year to manage this growth. "We took a very small sales organisation and built it into a first-class sales organisation and in doing so have really strengthened our relationships with advertisers.



・・2倍か


 具体的な数字よくわかんないけどでかいんでしょうね。なにしろアメリカ全体ですもんね。そういや、アメリカは「全国紙がない」のでそういった事情もあってonline siteがポータルメディアになれるのかもしれない。(あとテレビとか)。識字率の問題もあるだろうけど。


 そういった事情もあるので新聞社に「mixiを買え」って言っても変な感じになるか。日本の場合、アクセスは(リアルも含めて)新聞のほうが多いわけだし、集中排除原則の影響で新聞社は動画コンテンツと(タテマエ的には)連携してないですもんね。


 mixiはmixiでふん詰まり的現状がある


muse-A-muse 2nd: ミクシと2ちゃんとblogと少しおカネの話


 外部性活かせてないですね。(そんで、twitterとかに分散していってる?)


 mixiにオリジナルコンテンツを作り出す力はなくて、いちお動画とかミクドラマとかやってるけどパッとしない。新規採用的にはその辺の反省も踏まえて、新しい体験を生み出せるようにP2Pとかの技術開発能力ももった社員を採用してたみたいだけど、その辺の展開もまだ見えてこない・・。

 ついでに日本版MySpaceについて言うと、これは前のエントリにもまとめたとおり「4月から本格始動」っていうことなのでまだよく分かんないんだけど「音楽聴けるようになった」とか「自動翻訳機能をつけた」って話も聞かないのでそれほどの展開もないのかなって感じです。



 んじゃ、「新聞社以外のところがmixi買ってsocial化すればいいじゃん?」、ってなるんだけどその場合まともなコンテンツ持ってるのって言ったら・・NHKはダメでしょ?・・ジブリとか?もしくは日本のメディアコングロマリット、SONYさんにがんばっていただきたいけど最近ものすごく下降線ですね。(クタラギさんもCellプロジェクト活かせないまま引責辞任っぽいし)



 そんな感じで、日本のSocial Media化の未来が見えないわけなんだけど・・・もういっそのこと丸ごとNews Corpに買い取ってもらうとか?(笑)


 それ言っちゃうと旧来の「じゃーなりずむ」頭な人たちは怒るのかな?じゃあ、厄除け貼っとこう


muse-A-muse 2nd: 市民社会と制度について(ジャーナリズム論承前)


muse-A-muse 2nd: ジャーナリズムとはなにか?(1):世論と世論を形成するもの


muse-A-muse 2nd: ジャーナリズムとはなにか?(2):批評としてのジャーナリズム


muse-A-muse 2nd: ジャーナリズムとはなにか?(2.1): Sound and Fury




 まぁ、そんな感じで黒船到来まで待つしかないかって感じなんだけど、その段階でコンテンツ制作側とディストリビューターが細かく分かれる可能性があるので、腐らず自分の腕(ウリ)を磨いといたほうがいいと思います。


 「雌伏して待て」、と



 そういや、「踊る〜」さんは地方紙なのか。じゃあ、「集中排除」とか言ってもそんなに関係ないか(地方民放との株式相互所有ぐらいあるだろうけど)。

 あと、地方紙といえば地方紙合同ポータルみたいなのあったと思うんだけどどうなったんだろう? RSSもはいてなくて「やたら使いにくい」と評判だったけど



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関連:
muse-A-muse 2nd: YouTubeの跡地争いにNews Corpも参入!

※News Corpの動画ネットワーク、広告ネットワークの展開について。



天漢日乗: 新聞社志望学生の抱く新聞社のイメージジョーク集


※上だけじゃなくて下の世代にもシニシズムがあるみたいなんだけど、シニシズムって言うかリアリズムかもしれないのでそれなりに期待(・・・できるかどうかわかりません)




はてなブックマーク - morutan@はて部 / NewsCorp

※おまけとして。NewsCorp特集





posted by m_um_u at 19:51 | Comment(0) | TrackBack(0) | メディアこのエントリーを含むはてなブックマーク
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