2014年09月14日

スコットランド独立と「天使の分け前」


“Sometimes life is sad. You can cry in your booze, if you want. I think that’s called a Whiskey Sour.”

― Jarod Kintz


“The light music of whisky falling into glasses made an agreeable interlude.”

― James Joyce


“Too much of anything is bad, but too much good whiskey is barely enough.”

― Mark Twain


“Some of us look for the Way in opium and some in God, some of us in whiskey and some in love. It is all the same Way and it leads nowhither.”

― W. Somerset Maugham


“There is no bad whiskey. There are only some whiskeys that aren't as good as others.”

― Raymond Chandler


“Whiskey, like a beautiful woman, demands appreciation. You gaze first, then it's time to drink.”

― Haruki Murakami










ついったなんかを見てるとリベラル()なひとが「スコットランド独立は国民国家に対する独立でー民主主義がー民族自決でーグローバル市場主義な新自由主義に対する地域の独立がー」みたいなこといってるみたいでシノドスでそれに対するカウンターあげてたので「(´・ω`・)世間的にもそんな見方なのかな?」ってのもあってエントリにしよかなとおもったんだけど、NHK(ニュースなんかみてるとシノドスぐらいのことは短くまとめて言ってたので急速にヤル気を失いつつ。。(エントリしようと思って時間経ったのもあるけど)「まあ主に見た映画の感想ほかだからいいかあ」ぐらいで。


スコットランドで何が起こっているのか――民族とアイデンティティを超えた独立運動 / 久保山尚 / スコットランド史 | SYNODOS -シノドス-
http://synodos.jp/international/10615

まとめると「エスニシティメインではなく経済 → 福祉メインの話」ということ。

財政のとこで「スコットランドはイギリスから独立しても十分やっていける(イギリス全体の中でスコットランドが払ってる率の高さよ」+北海油田があるじゃないか、て感じみたいだけど。筆者の人も言ってるようにどんぶり勘定なんだろなこの辺。


印象としては日本に例えた場合、茨城国とか福島国、あるいは豊田国が日本独立するぞーみたいな話。なので「国民国家から民族自決のナショナリズムでー」つか県や市町村レベルの行政-自治な話でtuneしたほうが良いように思う。自分的にはこの辺とか

まあ茨城とか福島とかも昔は国だったと考えればナショナリズムとかnatioとかはあるだろし、「国がきちんと予算くれんのんだったらわしらだけでやってけんか考えちゃるんじゃけんの」ってのは有意義ではあるだろうけど。

ヒロシマ独立論 -
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その場合、独立した後の地域の経済(税収と経営など)・通貨などのもろもろの仕組みをどうするか?ってのが現実的に考えるところになり地域通貨がどうとか、「けっきょく明治維新つても江戸の枠組みをコピーしただけだったじゃないか」みたいな話が想起される。


そういうわけで今回のこれも国に対して「もっと予算くれやー」なプレッシャーをかけた+自分たちで独立して運営していく場合の必要な物を考えそこから「国」を借りてることの有効性を逆に考えられた、という意味で有意義だった、ぐらいに落ち着くのかなあという印象。

「んでもちょっと禍根残すかも。。」って見方もあるみたいだけど


スコットランド住民投票の意外な意味 | コリン・ジョイス | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
http://www.newsweekjapan.jp/joyce/2014/09/post-83.php


曰く、「スコットランドは独立しないにしてもスコットランドへの権限移譲は進む。リヴァプールやマンチェスターもコレに続くかもしれない。スコットランド内部の問題は事実上独立したも同然の権限をもつようになるだろう。一方、スコットランド議員はイギリス議会に席を置き、イギリスの問題にも口出しできるようになるのだ」



あとは今回の件と関連したことで連想したことをつらつらと



スコットランド住民投票が煽るカタルーニャ独立 写真5枚 国際ニュース:AFPBB News
http://www.afpbb.com/articles/-/3025592

スコットランドの歴史 - Wikipedia
http://bit.ly/Zipmgy

バスク国 (歴史的な領域) - Wikipedia
http://bit.ly/ZipqNj

カタルーニャ州 - Wikipedia
http://bit.ly/Ziprku

カレドニア讃歌:スコットランド独立と欧州の政治:JBpress(日本ビジネスプレス)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/40037




カナダのケベックなんかも今回の件を受けて独立な刺激がちょっとあるみたいだけど、とりあえずスコットランド←イングランドとの関係でカタルーニャが刺激受けたというのはわりと近くではフランコ政権統治下で無理やり統合されたスペインの歴史を想わせる。すなわち「みつばちのささやき」でありナイチンゲールの活躍とか。


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「ミツバチのささやき的な見方もサヨク的びみょーさがある」てのはあるのだろうけどとりあえずそこは置いておいて、「地域のアイデンティティは別にしてもっとつよい政治勢力によって無理やり統合されていった不満」というのはスペイン一帯、あるいは、スコットランドを含めたブリテン島一帯にもあるみたい。まあ端的にはもともとケルト-ガリアな血筋な地域をローマや神聖ローマ、あるいはフランス・イングランドなどが統合していった(ケーキを分けて行った)ってあれだけど。

ガリア戦記とかヴィンランド・サガを思い浮かべればおーざっぱにケルトほかの原住民が被侵略 → だんだんと追いやられていったというのはわかるし、「双頭の鷲」読んでるとスペインが未だナバラ王国とかカスティーリャとかアラゴンとかで分かれてた頃、フランスvs.イングランドっていう従兄弟争いみたいなところで分けられるケーキの一部(あるいはちょっとした飛び道具的なもの)としてこの辺りがとらえられていたのがわかる。ブルターニュや南フランスなんかもそうだけど。

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双頭の鷲〈下〉 (新潮文庫) -
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ついでにいうと佐藤賢一によるとダルタニアンなんかもバスク←ガスコーニュ出身の鷲鼻-九州男児みたいな感じだったみたい。

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二人のガスコン〈中〉 (講談社文庫) -
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二人のガスコン〈下〉 (講談社文庫) -
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んで国民国家的な統合な時期を前にイングランド→スコットランドではスコットランド側に不満な統合があった、と(名誉革命)。

権利章典うんたらも兼ねてこのへんはまだちゃんと掘ってないのでなんだけどちょっと意外な印象だった。イングランド側からみてれば権利章典なあれはカントリージェントルマンによる独裁君主への対抗ということで地方自立な文脈に属するように思っていたので。その陰で別の地方が潰されていた、のかなあ。。


カスティーリャなんかもざらっとWikipediaみると似たようなことはあったようで、まあけっきょくは経済的独立ができるかできないかというところで、そういうのができたときには独立機運が高まるんだけどそれらがもっと上位の政治権力によって潰されていった。潰される、っていうか経済的ハブ-ポートとして発展する近代国家の中であらたな役割と誇りを担わされていった。

産業革命期のリヴァプールの役割なんかもそんな感じだったようだし。。そしてそういった地域の労働者向けのパンとしてサッカーが興隆し、そこに「われらの失われたエスニシティの誇りを」が載せられていった、のかな(バルセロナ、バイエルン・ミュンヘンなんかもそんな感じだろし)


なのでそういう地域の誇り-エスニシティというのはそれ単体ではなく労働者の誇り/腐れ労働に対する嫌厭→鬱憤 + 酒 + 享楽 + 「われわれ」のよすが、みたいないろんな感情やアイデンティティが混ざっているのではないかと想う。

日本とヨーロッパのクラブチーム(サポーターの熱)の違いを考えるときの材料としてそういうものも使えるかなああとちょっと思うけど、それるのでそこは保留にしておこう。




スコットランドの場合、そういった歴史に醸された一杯としてウイスキーがあるのかもしれない。

単純に「うまい」ものでもなくむしろ最初は「なんだこれっ( ゚д゚)、ペッ」て吐いてしまうような、でも、だんだんと慣れてその不味さの中の様々な風味を味わうことが癖になっていくような(人生がそうであるように)。


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(いつもどおりネタバレ含むが)お話アウトラインとしてはイギリス地方の若者としてありがちな三代前ぐらいから下層労働階級で就職もままならないような文化資本・社会資本からも断絶してる若者が酔ったいきおいで傷害事件で捕まり、執行猶予的代償みたいなかんじで社会奉仕活動に参加した折にウイスキーをはじめて知り、自らのどん底から脱するべく仲間と「天使の分け前」を計画する。

「天使の分け前」というのはウイスキーの蒸留過程で蒸発していくアルコール分。「どうしても無くなって行く酒分 → これは天使への分け前だ」ということ。

主人公には子供が出来て、でもゴロツキからストーキングされてる+金も職もないので遠くにも行けない。そこでオークションに出されるウイスキーが法外な金になるということを知る。「しかもこれはけっこうチョロく盗めそう・さばけそう」ということで起死回生の賭けに出る。


といっても盗みにメインを置いた作品でもないのでそのへんの実行の様子はロードムービー的なゆるさで描かれていた。自分的には少し前に見た「スターウォーズマニアたちが癌になった友人と最後のスターウォーズ巡礼(ヲタグッズの盗み旅)に行く」っていうロードムービーを思い浮かべた。



「盗みをメインとする作品でもない」ということで自分的には最後に主人公は酒を返上するのではないかと思っていたけど、そのへんはわりと予定調和的に終わっていた。特に「ミッション・インポッシブルv( ̄Д ̄)v イエイ大成功」て感じでもなかったけど。



主人公が主人公なりの「天使の分け前」にありついたことについて、スコットランド独立なニュース的にはなにか隠喩的な予感のようなものが含まれた映画だったのかなあとも妄想された。


「スコットランドはけっきょく独立しなかった。しかし今回の独立騒ぎを通じて彼らにも『天使の分け前』が供された(彼らに供された分前とはなんだったか?)」



たまたま自分が見た時機とリンクしただけだろうけど。




あとはムショぐらし・底辺の生活からの脱出、なところが現状の自分とリンクして思ったより感情移入・印象に残った映画となった。


ケン・ローチの作品はこういったイギリスの底辺若者の現状、あるいはふつーの人の現状を扱ったもののようで、ダルデンヌ兄弟ともどもぼけーっと掘っていきたい。


ケン・ローチ - Wikipedia
http://bit.ly/rQCoPW



あと、秋用にちょっとしたスコッチほしいな

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posted by m_um_u at 05:52 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記このエントリーを含むはてなブックマーク
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