2014年02月01日

ソチオリンピックでの同性愛プロパガンダ禁止法周り雑感


ソチオリンピックの国際的反応は「ロシアが同性愛禁止だから開会式ボイコットしよ―ぜ―」て感じになってるけどその辺はまったく日本のメジャーなマスメディアでは触れてない感じ。

まあそれはいつもどおりだからいいんだけどこの同性愛禁止てのはどういうことなのかな?(キリスト教関連としてもどういう教理とかエートスとか政治経済的関係だろ?)と思って軽く芋づるとか検索とかしてみた。


【五輪】ソチ開会式にt.A.T.u.が出演?〜同性愛宣伝禁止法との関係は如何に〜|ロシアぶろぐ(仮)〜目指せ1日1ロシアネタ〜
http://ameblo.jp/lm116416/entry-11761729216.html



<法律の発案者の立場>

法律専門家の評価では、草案は明確な基準と定義を含んでおらず、その解釈はあいまいである。家族・女性・子どもに関する諸問題下院委員会のエレーナ・ミズーリナ議長は法案の立場を次のように定義する:

「私たちの法案は、非伝統的な性的関係の宣伝を禁じるものではなく、そのような宣伝が子どもたちを対象としたり、子どもたちにいずれかの性的指向を形成させる目的を持っているような場合にそれを制限するものです

「文化的または芸術的な価値を持つ作品は、『有害情報から子どもを守ることについての法律』で規制されることはありません」

「非伝統的な志向を持つ人の習慣が示されたとしても、それがプロパガンダではなく、子どもに何らかの植え付けを行うようなものでなければ、それは単なる情報です。ニュースのダイジェストもまた単なる情報であり、プロパガンダではありません。同性の二人の子どもが手をつないで歩いていた場合も、プロパガンダではありません。子ども自身がが自ら情報を探す場合、それが子どもにとって必要であれば、これも何らプロパガンダではありません。なぜならそれは子どもに対する植え付けを行う目的ではないからです」

「禁止は、子どもが参加する見物行事で同性愛に対する関心をあおるようなものに対してのみ適用されます」

「もし法律が採択されれば、ゲイ・パレードの開催は、子どもが参加せず、子どもの目の届かない場所でのみ可能になります」

文書によれば、非伝統的な性的関係を子どもに対して宣伝した場合、ロシア国民は4千〜5千ルーブル、公務員は4万〜5万ルーブル、法人は80万〜100万ルーブルの罰金が課せられる。また、法人が違反した場合、90日以下の営業停止行政処分となる可能性がある。政治学者たちは次のように確信している:この法律はよく考えぬかれた、バランスのとれたアプローチをしている。そして法律で定められている罰則も十分軽いものである。

「法律で問題とされているのは、未成年に対する宣伝の禁止であることを指摘しておくことも重要です。つまり、非伝統的な性的関係そのものを禁じているのではなく、制限についてさえ問題にされていません。ある社会集団の中での宣伝を禁止しているのに過ぎないのです」―このように、地域計画推進研究所のニコライ・ミロノフ所長は本紙に明らかにした。

要するに、同性愛そのものや活動自体を禁じているのではなくて、子どもに悪影響だから目の届くところでやるなってことなのね。しかし、ロシアの国内対応はいつも外国から文句言われるな―。

【悲報】レイキャビクがゲイをめぐってモスクワと断交|ロシアぶろぐ(仮)〜目指せ1日1ロシアネタ〜
http://ameblo.jp/lm116416/entry-11572095882.html


「同性愛禁止」法ではなくて「同性愛プロパガンダ禁止」法。子供とか未だ自我が固まってない層が混乱しないようにあからさまに同性愛とか喧伝するな、てやつ。

まあ自由主義とか民主主義とかが固まった先進国からするとはなはだ後進的とか未開発とか遅れてる野蛮みたいな感じなんだろうけど、印象としてはライシテと同じ。あるいはセクハラ案件のペアレンタルコントロールとか、「コンビニで子供の目に触れるところに置くな」とかそういうのと。


ヘイトクライムと「民主主義」と内政干渉のしきい値、みたいな話 (モダニティの帰結): muse-A-muse 2nd
http://muse-a-muse.seesaa.net/article/386535100.html


初等教育段階、あるいは精神年齢が初等-中等程度だと共同体の「正しい」価値をそのまま信じることに疑いがないし、それを覆されると不安を覚える。そしてロシアは現在、後期近代化の途上なので伝統的価値とゲゼルシャフト的な価値との間で相克が生じている。
生活的なところではそれまでの「正しい」「ふつー」のライフスタイルを送っても貧困になったり不幸になったりしてるし、それに紐付いていたエートスも疑われたり。そして外来から新興層が入ってきて「自分達の食い扶持がやつらに奪われてる」という疑念も生じたり(コーカサスとか)。

そういったところでは民族的価値や宗教的価値に反動して紛争・事件が生じやすくなる。

このへんはインドの集団強姦とかフランスのスカーフ事件にも通じる。

元々の民族的性格←家族型にも依るのだろうけど、不安や不満を旧来の「正しい」価値観 → それに従わないものが悪いにすり替えて祭りをする

それは野蛮で幼稚なものだけど、現段階だと言っても聞かないのだからとりあえず刺激しないようにわけた方がいい。だから旧来の価値観を刺激するようなこと、不安をもたらすようなことを避けるようにするという処置はふつーにアリだと思う。とりあえずの妥協策として。


なので、この件に関して欧米など先進国から「同性愛禁止かー(野蛮人メー)」て誤解もアレゲだなと思うんだけど、そういったなかで日本は開会式参加というのはけっこういい選択なようにおもったり(エネルギー政策とか対中安保的に)。このへん中国とアフリカのエネルギー政策的な協調を思わせるけど、まあ国際的にもそんな感じに思われてるのかもしれない(北京五輪のときのスーダンうんたらみたいに)。



ちなみにロシアのこのへんの価値観はどういうエートスかと思ってちょっと調べてみたけどよくわからなかった。Synodosあたりにありそうかなと思ったけどコーカサスとかの経済的情況変化→不安・ガバナンス関連ぐらいだったし。

ロシア正教だろなということでWikipedia程度の知識だけど「正教会における聖伝の本質は、教会を形成していく人々の生きた体験の記憶である」とのこと。なのでプロテスタントと違ってバイブル教条的なアレで同性愛禁止てことでもないみたい。アルミニウス主義的てけとーさ(人道主義的おおらかさ)の影響かなあ。まあこのへんもどういう論理建てで同性愛への偏見が払拭されていったのかな?とか思うけど、関連本読んでたらそのうち分かるか。



あと、ロシアは外婚制共同体家族が多い地域ということで北インド、中国と性格を一緒にするみたい。なのでやはり今回の騒動はインドの事件に近いのだろう。


現代インドにおける女性に対する暴力 ―― デリーにおける集団強姦事件の背景を探る | SYNODOS -シノドス-
http://synodos.jp/international/3730



それにしてもライシテ的な感じで同性愛的表現は禁止てなったはずなのに諸外国からクレームあがったのを受けてかt.a.t.u起用してたらそれこそ同法の規定に触れるのではないかと思うけど・・あと、t.a.t.uだからまたお騒がせしそう。

そもそもt.a.t.uが売れた背景てどんなかんじだったんだろ?そういう価値の背景があるのだったら当時もけっこうな騒動になったのでは?とかおもうけど。当時と現在では情況が変わったのかな(特に調べず


t.A.T.u. - Wikipedia http://bit.ly/7NO8UM



posted by m_um_u at 09:31 | Comment(1) | TrackBack(0) | 日記このエントリーを含むはてなブックマーク
この記事へのコメント
「同性愛プロバガンだ禁止法」の目的は同性愛の「プロパガンダ」を禁止するということであり、「同性愛の薦め」を禁止するというものなので、同性愛者の人権を侵害・規制するという批判は当たらないと思います。ロシアにはロシアの文化・社会・伝統・歴史すなわち国家のアイデンティティー、国民のアイデンティティーがあるので、第三者がとやかく批判すべきではないと思います。そもそも倫理というものは「自観」(当事者)の立場で成り立つもので、第三者の「傍観」の立場では成り立ちません。人権活動はすべからく「慈善活動」であるべきで、「政治運動」であってはならないと思います。政治運動としての人権活動は無責任・無義務であり、社会に混乱をもたらすだけです。人権活動が政治活動であるとき「偽善」に陥ることになります。
Posted by eegg at 2017年05月22日 17:59
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