2011年05月10日

夜を愛し、余すところなく死んで、三位を統べる



人は、

イドの子として受肉し、

赤い帳を経てまた闇に還る。




死の耽溺は母なる闇への回帰に似て、

甘い乳香を漂わせながら、

悼人をつかんで離さず




ノヴァーリスの「夜の賛歌」を自分なりに解釈しつつ翻訳していたら浮かんできた言葉
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8E%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%82%B9


夜の讃歌―他3篇 (岩波文庫)
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内容としては最愛の良人ゾーイーを亡くしたノヴァーリスに下った天啓のような言葉


彼の悔恨、自責、人生と神、存在全体への問いのようなものが聞こえてくるようなそういう圧力をもった言葉の群れ

http://morutan.tumblr.com/post/5225311673






良人の死によって世界のすべてが暗闇に閉ざされた永遠の夜



世界の理が崩れ、目の前の現実がぐにゃりと歪む


それに恐れおののきつつも受け入れ


母の胸に還るように耽溺していく




(現実が崩れた)窓の外に立つ大樹は


青白き肌に産褥の血の反照を受け


そこに、(二人の間の)失われた嬰児の姿が映しだされる。




(秋にもかかわらず)このように生ぬるい夜には


昼間の、風に揺れるコスモスが如くな虚妄は破れ


日々の暮らしの中で化石層のように歳を積み重ねている若者たちも


母親の乳房をまさぐっていた時期の純然たる生の悦び、淫猥の皮膚感覺をとり戻し


仄暗き洞窟に顔を埋め


暗渓たる欲情が心を流るるに任す





降誕祭のこの聖なる夜


天鵞絨の黒衣に彩られ、臭い油の香油(にほひあぶら)ににおい立ち上る聖なる夜


(我と我らの子たちも新たに生まれなおしました)





どうか……



その喜びと悲しみに涙するわたしの右頬を


御身の胸に預けることを赦したまへ




Terminal Arts of Sein und Zeit: muse-A-muse 2nd
http://muse-a-muse.seesaa.net/article/199659522.html










「コスモス」と「降誕祭」だと季語-時期が違うように思われるが


おそらくはカルナヴァル的な捉え方



待降節とクリスマス(降誕祭)
http://www.cbcj.catholic.jp/jpn/memo/christmas.htm

教会では、クリスマス(降誕祭)の4つ前の日曜日から、クリスマスを準備する期間に入ります。カトリックでは、この期間を「待降節」と呼んでいます。



精神は、あまり繊細でない感覚を媒介として、魂をガルヴァーニ化する。精神の自己活動とはガルヴァニズム―瞬時の自己接触―である。(注:ガルヴァーニ化=「刺激を与えて瞬時に生命活動を引き起こすことのメタファー」。訳者注より。) 『断章と研究』

http://twitter.com/Novalis_bot/status/66643399436021761


Togetter - 「フィリップ・ヴァルテール、「中世の祝祭」 からのちょっとおもろい話メモ」
http://togetter.com/li/117258



良人はコスモスの時期に亡くなって、降誕祭をカルナヴァル全体としてみれば、自分の天啓も含めて時期が重なった、ということだろう。


良人は、あるいは二人の間の失われた子は、嬰児として天啓のヴィジョンをとり、うしなわれた二人の未来、時間と共に生き続けていく。






それは「死」(タナトス)への耽美的な誘惑をたたえつつ

天啓として寄り添うことでノヴァーリスに力を与えていく


(そして嬰児を介した天との契約に基づいて、ノヴァーリスは神に至る規律を守っていく)

http://favolog.org/tweets.cgi?id=m_um_u&w=Novalis_bot&k=user




TASZエントリ後段に配したスターバト・マーテル(聖母哀傷)はノヴァーリスが哀傷と再生の通奏低音




「余すところなく死んで、その反動でさらに大きく生まれ直す」




その緊張と哀しみが全体を包む




過去の自分、その周辺の過去の人々への別れとあらたな始まりの予感


kiss me good-bye
http://bit.ly/emy4on






「余す所なく死ぬことで、あらたに受肉する」





過去の自分、現在の自分、未来の自分が三位一体として再誕する




三位一体 - Wikipedia
http://bit.ly/lYp1aE

翁のあらすじ
http://www.k2.dion.ne.jp/~t7d7/okinaarasuzi.html



父と聖霊と子



翁と平面と荒神


過去と現在と未来


超自我と自我とイド






--
全体のゴシック耽美な色合いはタニス・リーの雰囲気、空気感に近いように思った



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あるいは、それを踏まえた「ベルセルク」(3rdまで)


Togetter - 「ベルセルク」
http://togetter.com/li/133003




カラスの女王も


Rebecca Horn    性と生の超越: muse-A-muse 2nd
http://muse-a-muse.seesaa.net/article/133818125.html




タグ:TASZ
posted by m_um_u at 06:45 | Comment(3) | TrackBack(0) | 人文このエントリーを含むはてなブックマーク
この記事へのコメント
気が向いたら、私の作品も読んでみてください。
Posted by 積 緋露雪 at 2011年05月10日 07:58
拝読いたしました。最初のページだけ、というのはあるでしょうが、少し思うのは、神は外部にもあるでしょうが己の内部にもあるのではないか、と。

まあ、戯言ですが
Posted by m_um_u at 2011年05月10日 10:26
どうも有り難うございます。
あなたの仰ることはよく解かります。
Posted by 積 緋露雪 at 2011年09月02日 05:39
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