2009年07月17日

原武史、2009、「鉄道から見える日本」

ちょっと前からこれをHDRに録って楽しくみてる。


月曜日 探究この世界|NHK知る楽 「鉄道から見える日本」
http://www.nhk.or.jp/shiruraku/mon/index.html


テキストも買った


NHK出版 Online Shop :NHK知る楽 探究 この世界 2009年6・7月 「鉄道から見える日本」
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Amazonで送料無料狙って半ばムリヤリほかのものも一緒に買ったけど後でみたらNHK出版の送料は65円ということでこちらから直で買ってもよかったかも。

あと、せっかく買ったけどあと二回で放映したら終わるみたいだ。…残念。

んでも「知る楽」のこの枠って新書程度の知識がテキスト+オーディオテキストで楽しめるのでお得かも。今度もまたなんかおもろいのあったら買ってみようかと思う。


さておき内容だけど


いままでの内容的には「鉄道と日本(東京)の開発」ってテーマがおもしろかったように思う。あと、原さんはもともと昭和天皇なバンキシャだった人ということで天皇制とナショナリズムについてウニウニっとしてる人ということで鉄道の変化とナショナリズムの変化の話とか、関連で公共性の変化ということで団地の話とか…。その辺はただの鉄道話ではない感じで面白かった。


とりあえず以下おもろかったところをてけとーに箇条しつつ合いの手

※例のごとく()カッコ内の数字は該当箇所ページ数を表す



(60)明治初期、新橋−横浜間、京都−神戸間などといったあらたな鉄道が開業するたびに天皇は開業式に望み鉄道に試乗した。同行幸は皇太子(後の大正天皇)が名代として引き受けていった。迎える側は天皇または皇太子が到着するい時間前までにホームの指定された位置で整列して待った。

鉄道の開通を機にそれまで実感することのなかった「一分」という時間の単位が導入されたうえ、皇太子の訪問に合わせる形で、人々の行動が一分単位で規制されるという、新しい支配の形式が大々的に取り入れられた。


(「鉄道に乗る天皇」より)




オレ※cf.この辺りは軍隊や工場訓練における規律訓練を思わせる。また「日本のダイヤグラムは異常に精確」といわれる理由もこの辺りに由来するものなのだろうか。





(74〜87)阪急を作り上げたのは小林一三、東急を作り上げたのは五島慶太。小林は民間たたき上げ、五島は農商務省鉄道院の天下り。経営に対する姿勢の違いはそのままこの出自に表れた。五島は小林の経営を真似た(これは五島の自叙伝にも記載されているらしい)。

小林一三の経営が画期的だったのは「生活圏を結ぶために鉄道を敷く」というところから「鉄道のために住宅地を作り出す」というところにシフトしたこと。

「乗客がいなければ乗客をつくりだせばいい」

沿線の駅前に郊外住宅を多数分譲し、新規鉄道のための固定客を獲得した。


沿線住宅のモデルはいわゆる「欧米的な文化的な生活」を提供するもの。その構想は内務省地方局有志がヨーロッパの田園都市建設の動きを分析、紹介した書籍『田園都市』(1907)に影響を受けている。


小林の経営は徹底して「官」から離れたものだった。その残滓は阪急はJRに乗り換えを案内しないというところにも残されている。関西の電車で私鉄とJRの相互乗り入れ(同じ駅の中で乗換えができる)のが少ないのはこの影響と思われる。



(「西の阪急、東の東急」より)







(89)今でこそわれわれは鉄道会社が経営の安定化のため自社の沿線に住宅地を開発するのは当たり前のように思っている。しかし大正から昭和のはじめにかけて続々と開業した関東私鉄の経営者たちは、総じてそのことに不熱心であったようである。

なかには小田原急行鉄道の林間都市のように失敗に終わった例もある。少なくとも戦前までは、五島の東急以外、あまり成功していない。


(89)沿線住宅を手がけたのはむしろ学校であった。私鉄に通じる東京郊外に土地を入手しそれを住宅地として分譲することで学校運営の資金を調達しようとした。


たとえば雑司が谷の自由学園、牛込(現・新宿)に端を発し後に、砧村(現・世田谷区成城)に移転した成城小学校などがある。


(90-94)西武の堤康次郎は鉄道プロパーではなく元々は不動産会社を運営していた。

 関東大震災を機会に鉄道沿線の学園都市計画に着手。その最初が大泉学園都市だった。しかし、このときあてこんでいた東京商科大学(現・一橋大学)の移転計画は空振りに終わった。その後の小平学園都市計画でも最初に当て込んでいた明治大学の移転は実現せず、東京商科大学予科(現・一橋大学小平国際キャンパス)が置かれただけに終わった。

 堤が唯一成功させたのは北多摩郡谷保村(現・国立市)に開発した国立学園町の開発である。1925年には東京商科大が大泉にではなく国立に移転することが決まった。


その後、堤は武蔵野鉄道の株を買収して筆頭株主になり、1945年9月には武蔵野鉄道に旧西武鉄道を吸収して西武鉄道の母体を完成させた。


しかし西武鉄道のオーナーとなった堤が自社の沿線開発で力を注いだのはターミナルである池袋の開発、端的に言えば西武デパートの拡充であった。もうひとつは村山貯水池・山口貯水池などといった場所に沿線内の保養地、レジャー開発をしていったことである。




(94)首都圏の私鉄沿線の住宅事情に転機をもたらしたのは「団地」の出現である。その建設を担ったのは、都道府県や都府県の住宅供給公社のほか、1955年に発足した日本住宅公団(現・独立行政法人都市再生機構)であった。


(96-97)団地とは、従来の長屋的な木造住宅とは違うプライバシーの観念が確立し、洗濯機や冷蔵庫、掃除機にテレビといった家電製品をそろえた家が多かったという点から言えば、アメリカ的なライフスタイルを送れそうなところであった。



(97-100)
しかしアメリカ的な開放された団地の暮らしは住人の意識を親米的なものにしたり親米路線な自民党支持なものにするというよりはむしろ革新を支持するものにしていった。

たとえばひばりが丘、東久留米、滝山などの大規模団地における衆議院銀選挙の共産党の得票率は10年で六倍以上に急増した。


団地の主婦層はもともと割合に学歴が高い人が多く、それだけ政治意識も高かった。団地という外界から隔絶し全てが揃ったコミューンの中で昼間の時間を持て余した専業主婦たちは団地の集会所や小学校の体育館で開かれる勉強会や講演会に参加し、ますます意識を高めていった。


(「私鉄沿線に現れた住宅」より)







昔は東京の主要な公共交通機関は路面電車(都電)が担っていた。

しかし1960年代に入ると急ピッチで地下鉄路線網が整備され、それに伴って都電は減少していった。


都電のあった時代には都電が宮城前にさしかかると遥拝(ようはい)をうながした。このときの天皇に対する感情は「おそれ多い」というものであるとともにある種の親近感をもったものであったのではないか。


しかしいまでは地下鉄によって駅名と駅名が(デジタルに)繋がるだけになりその間の(アナログな)光景は見えない。これは東京都民の空間認識とともに天皇制への意識にもなんらかの影響をもたらしているものと思われる。


ちなみに現在の地下鉄も皇居周辺までくると進行方向を変え皇居を避けるような路線設定となっている。


(「都電が消えた日」より)






最後の「都電が消えた日」というところではかつての路面電車が栄えていた東京の様子を思い浮かべたり…





てか、単にパイのパイのパイ〜♪の歌にリンクしたかっただけど



あと、日本論がらみでもともと「明治天皇」は読むつもりだったんだけど


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4 レファレンスがちゃんとしていれば星5。
5 先入観排除
5 現代皇室の基礎を作った「大帝」の素顔



昭和・大正天皇も読んどこうかなぁ、とか思った。


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4 全国をめぐる天皇
4 大正天皇とは誰か
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あとは団地のコミューン的性格ということで滝山コミューンとか


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3 熱いものを見ると冷めてしまいます



そういえば「団地の特殊な性格」ということであればこれなんかも思い出されますな


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posted by m_um_u at 21:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | レビューこのエントリーを含むはてなブックマーク
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