2008年09月02日

ケータイ小説的無名空間の可能性について(メモ)

文化系トークラジオlifeの「地方」の回聞いてたら最近の関心にフィットするところがあったのでメモ的に。

「地方」絡みで地方のリアリティ−ケータイ小説的リアリティと来て速水さんな話


ケータイ小説的。――“再ヤンキー化”時代の少女たち
速水健朗
原書房
売り上げランキング: 3121
おすすめ度の平均: 4.5
1 著者の思いつきに過ぎないのでは
5 「コミュニケーションの檻」が生み出す「物語」
5 ケータイ小説の思想
5 久々にセンス・オブ・ワンダーを味わった
5 間違い無く楽しめる!



(読んでないけど)「地方のヤンキーのリアリティはケータイ小説の中に存する」って話だったみたいなので。

そこで共有される言葉やイメージは貧困なものだけど貧困であるがゆえに間口が広い、と。たとえば専門用語的なものが少ないほど共感は呼びやすいとか…(対話の両者が思ってるイメージは違っても会話の糸口としては機能する)。そして無名であり匿名であるということ。


「無名で匿名な言説の可能性」。2ch的空間の可能性でも語られることだけど、当人が無名な立ち位置にあることによってポジショントーク的なところに話が流れないで純粋に双方の意見交換ができる、って可能性。社会的立場から自分の所属してる組織を擁護する必要がないし、言い合いに負けて当人の沽券とか面子みたいなものが潰されてもプロパティ明かしてるわけでもないので(基本的には)その場限りのこととして済ませることができる。つってもしばしば口汚くはなるのだろうけど、その辺は川原の殴り合い的なアレというか…(>「全力で殴りあった後の友情」的な)

そんで、こういうのは公共性関連の理想論でいえば「社会的階級や性差などといったステータスの違いを障壁としない平等な対話空間(への参加可能性)」ってことになる。

そゆのが匿名的なものには期待されてるように思うのだけど、ケータイ小説的空間にもそういうものが生まれつつあるのだろうか?ケータイ小説の空間というのはギロンとかそういう空間ではないのだろうけど、びみょーなリアリティの共有とか共感とかそういう感じで。そしてそういう空間は現代のメジャー的な言説空間(既存のマスメディア的なそれ)からはこぼれてしまいがちなリアリティというか気持ちを救い上げていってくれているのだろうか…。

ただし、そういったケータイ空間も商業的にまとめられ拡大頒布(コモデティ化)されていく。


この辺の話。「リテラシーの足りない層にはそのためのコミュニケーション空間が必要」とか「んでもそれは商業的にステレオタイプ化されてるから(出版人はもうちょっと責任を感じるべき)」って話は「ベストセラーの構造」(中島梓)にも出てきていた。

詳しくは(たぶん)項を改めて書くとして、さわりだけいうと「ベストセラーの構造」の主題は「最近、活字離れと言われているがいわゆるベストセラー的なものは売れている。活字離れというのは一部の人が"読むべき”としている本が読まれていないだけのことではないか?ベストセラー的なものへの需要はもっと尊重されて良い(過大評価すべきではないが)」的な話。そんで、そういう「ベストセラー」を必要とする層というのは自分の言葉で自分の必要とするものがイメージできない層、上流層としての社会的責任を負うのは嫌うが下流層は見下している中間層的な人々である、と。

この辺は「公共性論」(稲葉)にも出てきた無責任な中流層って話ともリンクする。あとは仲俣さんとこで出てた「ベストセラー」→「書店の書棚が自己啓発とかな画一的なものに覆われていく」問題とか。

ただ、この手の視点だとリテラシーのない中間層=害悪みたいな感じになって心苦しかったんだけどそういうのに対して「無名の人々の言説空間にリアルな言葉の交流の可能性を見る」というのはなんか希望が持てるなぁ、と。

こういう話はケータイ小説だけではなくblogとか増田とかにも通じるか。

ただ、そこでもケータイ小説的な問題と同じようにベストセラーの構造のようなものがでてきているのだろうけど。「注目エントリをチラ見 → 内容は理解せずに自分の欲しいイメージだけ吸収(あるいは自分の狭いリアリティによって対象をスポイルする) → 自分の考えを後押ししてくれるような心地良いエントリを好みその言説を自分のものとして取り込む」みたいなの。もしくは特定人物をゲーノージンみたいにあがめて過大に期待とかね。


そういうのみてるとアホらしくなってくるけど、まぁ関わることなくのんびりとやっていこう





posted by m_um_u at 12:13 | Comment(0) | TrackBack(0) | 人文このエントリーを含むはてなブックマーク
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